熱情滾るCEOから一途に執愛されています～大嫌いな御曹司が極上旦那様になりました～

引っ越しは初夏の土曜。荷物の搬入を見守るだけで汗だくだ。
三月に京都から東京に戻ってきたばかりなので、実家で封を開ける前に運び込んだ段ボールもあるくらい。それでも、荷解きは午後いっぱいでは終わらず、夕食は母と妹が持たせてくれた赤飯と里芋の煮物、インスタントの味噌汁になった。初めてのふたりきりの夕食は実家の味。

「さて、今日から同居になりますが」

食後、お茶を淹れてくれた成輔に、私は早速提案する。

「同居に対する決め事をまとめましょう」
「はい、これだね」

成輔はタブレット端末を取り出し、さっと私に渡す。画面には書面が表示されていた。

「同じものを葵のメールにも送ってあるよ」

私はそれらに目を通す。



・清掃、洗濯、ゴミ出しなど家事全般は成輔が担当。
・朝夕の食事、おやつ作りは成輔が担当
・各自の私室には勝手に立ち入らない（清掃は各自で）
・夕食を自宅で食べないときは連絡を入れる
・帰宅が極端に遅くなる時は連絡を入れる
・生活費は成輔が出す



「待って。生活費の項目」

私は指さして言う。

「フェアじゃない。お互い決められた金額を出して、そこから水光熱費や通信費、マンションの管理費なんかを出そう。食費も」