熱情滾るCEOから一途に執愛されています～大嫌いな御曹司が極上旦那様になりました～

翌朝、キッチンから聞こえる音で目覚めた。遮光カーテンの隙間から差し込む光は、今日が晴天だと教えてくれる。設定温度を高めにしてつけておいたエアコンを止め、私は自室からリビングに出た。

「おはよう、葵」

キッチンにいるのは成輔だ。日曜だというのに、すでに立ち働いている。

「おはよう」
「今、朝食の仕上げをしてしまうから、待っていて」
「う、うん」
「昼と夜用にカレーも仕込んでおく。俺は午前中に少し会社に行ってこなければならないから、それを食べておいて」
「ありがとう」

見れば、ダイニングテーブルにはサラダとヨーグルト。私が起きてきたタイミングで成輔はトーストをセットし、スクランブルエッグとベーコンを焼き上げた。
手際の良さは、日頃から料理をやっている人間のそれだ。

「先に食べていてね」

そう言って、成輔はカレー作りの続きに戻る。私がもそもそとトーストを頬張っている間にスパイスのいい香りが漂い始めていた。

「辛いのどのくらいまで平気？」

キッチンから成輔が尋ねてくる。

「ええと、一般的な辛口くらいまでなら平気」
「ＯＫ」

辛さも調節してくれるらしい。いや、カレーくらいなら私だって作れる。案外、毎日こういった煮込み料理かもしれない。好きだから全然いいけれど。