熱情滾るCEOから一途に執愛されています~大嫌いな御曹司が極上旦那様になりました~
「私だって、仕事上の付き合いみたいなものよ」

こういったことで喧嘩したくないし、険悪になりたくない。
せっかくふたりでほどよい距離を保って生活ができているのだから。

「それとも居心地がいいのは私だけ?」

成輔の多大な我慢のもとでこの生活が成り立っているのだとしたら、すごく嫌だ。
しかし、すぐに思い直す。成輔が私を信頼していないのだ。だから、同期と買い物をするくらいで苛立った態度を取るのだ。
子どもみたいだ。私より五つも上なのに。
いつだって、大人の余裕しか見せていないくせにこんなときばかり子どもみたいで……。

「葵」

どきりとした。脱衣所に人影。成輔の声が聞こえる。

「な、なに」

私はシャワーを止めて、返事をする。

「さっきは感じが悪くてごめん」

成輔の声は静かだ。

「馬鹿みたいだと思うだろうけれど、こんな些細なことでも嫉妬してしまうんだ」
「嫉妬?」
「きみが他の男と時間を過ごすのが嫌だ」

私はそろりとバスルームのドアに隙間をり、ひっかけておいたバスタオルを浴室に引き入れた。まだ髪も身体も洗っていないけれど、成輔の顔を見た方がいい気がしたのだ。
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