熱情滾るCEOから一途に執愛されています~大嫌いな御曹司が極上旦那様になりました~
「たまに同期会などをやるので、また院田さんを連れ出してしまうこともあるかと思うんですが、よろしくお願いしますね」
「ええ、もちろんです。今後とも葵をよろしくお願いします」

成輔の笑顔は綺麗だ。もともと本当に綺麗な顔をしているけれど、青年実業家として人の前に立っているときの彼は、カリスマ性があるように見える。

「葵、まだ用事があるなら待ってるけど」
「……ない」
「そうか。それじゃあ帰ろう。今谷さん、失礼します」

成輔は私の腕を取って歩き出す。人混みを縫うように歩き、駅から近い立体駐車場にやってきた。ここに車を停めてあるようだ。

「なんで、迎えにきたの」
「ごめん」
「信頼してないの?」
「ごめん」

成輔はそう言うだけだ。私は会話を諦め、おとなしく助手席に腰を下ろした。

車はそのまま私たちのマンションへ。
部屋に入り、荷物を椅子に置く。なんだか疲れていた。成輔から反応があるかわからなかったが、振り向き尋ねる。

「夕飯、どうする? 考えてないでしょ」

すると腕を引かれ、抱き寄せられた。ずっと無言だった成輔のはっきりしたリアクションに、抗うのも馬鹿らしくなり、私はその背に腕をまわしぽんぽんとたたく。

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