熱情滾るCEOから一途に執愛されています~大嫌いな御曹司が極上旦那様になりました~
「OK。……ごはん、家にあるものでよければ、ぱぱっと作るよ」

成輔はすっかりいつもの笑顔に戻り、立ち上がった。自分を律して、いい夫の表情になっている。

「大葉と冷凍の鮭でお茶づけとか。どうかな」
「美味しそう。食べたいです」
「じゃあ、準備するね。葵はお風呂掃除をお願いしていい?」
「うん」

立ち上がり、ダイニングテーブルの眼鏡を取ってかけ直した。途端に現実がもどってきて、恥ずかしくなった。
あんないやらしいキスをするつもりなんかなかったのに。
気軽にキスなんて言い出すんじゃなかった。
恥ずかしい気持ちでいっぱいでいたたまれず、足早にお風呂掃除に向かうのだった。

その後、成輔はいつも通りの態度だったけれど、私は何度も彼から目をそらしてしまった。

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