熱情滾るCEOから一途に執愛されています~大嫌いな御曹司が極上旦那様になりました~
「どういうことかな、これ」
庭園を連れ立って歩く私たちはつかず離れず隣り合って進む。
なぜなら、私と成輔の姿は先ほどまで集っていた料亭の個室からよく見えるからだ。東屋や木の陰に隠れれば見えないだろうが、ずっと見られていると思って歩いた方がいいだろう。
「葵ちゃんは相変わらずマイペースだね。あの状況ではっきり断るとか、空気を読む気が一切ないのがいいよ」
成輔は明るく笑っている。身長が高いので、その横顔は私より二十センチくらい上にある。
「空気読んで結婚はしないからね、フツー」
「俺としては流されて結婚してくれるくらいが嬉しかったんだけど、葵ちゃんじゃそれは無理かなとは思ってた。ただ、うちの父も葵ちゃんのご両親もその気だからね」
私はむっつり黙って歩く。着物には慣れているが、万が一にでも振袖で転びたくはなかった。歩くのに集中。成輔は二の次。
風尾成輔は、風尾グループの嫡男。
自身もアパレル関係の会社を三つ経営していて、風尾グループから独立したそれらのCEOを務めている。三十歳という年齢を考えても、ただの御曹司ではなく才覚のある経営者なのだろう。
風尾家と院田家の蜜月関係。私と成輔は幼馴染というほど近しくはないが、子どもの頃からの顔見知りだ。
庭園を連れ立って歩く私たちはつかず離れず隣り合って進む。
なぜなら、私と成輔の姿は先ほどまで集っていた料亭の個室からよく見えるからだ。東屋や木の陰に隠れれば見えないだろうが、ずっと見られていると思って歩いた方がいいだろう。
「葵ちゃんは相変わらずマイペースだね。あの状況ではっきり断るとか、空気を読む気が一切ないのがいいよ」
成輔は明るく笑っている。身長が高いので、その横顔は私より二十センチくらい上にある。
「空気読んで結婚はしないからね、フツー」
「俺としては流されて結婚してくれるくらいが嬉しかったんだけど、葵ちゃんじゃそれは無理かなとは思ってた。ただ、うちの父も葵ちゃんのご両親もその気だからね」
私はむっつり黙って歩く。着物には慣れているが、万が一にでも振袖で転びたくはなかった。歩くのに集中。成輔は二の次。
風尾成輔は、風尾グループの嫡男。
自身もアパレル関係の会社を三つ経営していて、風尾グループから独立したそれらのCEOを務めている。三十歳という年齢を考えても、ただの御曹司ではなく才覚のある経営者なのだろう。
風尾家と院田家の蜜月関係。私と成輔は幼馴染というほど近しくはないが、子どもの頃からの顔見知りだ。