熱情滾るCEOから一途に執愛されています~大嫌いな御曹司が極上旦那様になりました~
週明け、出勤するとまず営業部の今谷を訪ねた。
するとオフィスの手前、営業部フロアの自動販売機前でコーヒーを買っている今谷に遭遇した。

「お、白衣姿、めずしい」

今谷はあいさつ代わりにそんなことを言ってくる。

「今日はこの後ずっと研究室だから。……金曜、急にごめんね」

告白されるとは思っていなかったし、成輔が迎えにくるとは思わなかった。誰よりも想定外を味わっているのは私だけど、今谷はいきなりハイスぺイケメンと出くわして驚いたに違いない。

「婚約者の件? あれは驚いた。家同士が決めた仲ってやつ?」

今谷は動揺すらしていない明るい笑顔だ。

「まあ、そんなところ。現在、結婚に向けて交際中」
「おお、さすがお嬢様」

私と成輔の複雑な感情で成り立って始まった同居生活。その詳細を言っても仕方ないので省略する。

「彼、過保護なの。嫌な態度だったらごめんなさい」
「全然そんなことないよ。でも、安心した。それなら、まだ俺が略奪するチャンスがあるよな」
「は?」
< 80 / 207 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop