熱情滾るCEOから一途に執愛されています~大嫌いな御曹司が極上旦那様になりました~
「今なら荏原先生もお時間がありそうでしたよ。直接、お話できるのではないですか?」
「本当ですか。それはいいことを聞いたな。では、いそいで参りましょうかな」
議員と直接会話するチャンスと急ぎ始める大山田専務はもうこちらを向いていない。それなら、こちらももう会話しなくていい。
行ってしまった大きな背中を見送り、私は成輔を見た。
「ありがとう。助かった」
「やっぱり絡まれてた? あのおじさん、若い子と見ると節操ないからさ」
「成輔さん、いつもありがとう」
百合が私の後ろから顔を出した。顔色が悪いのは怒りすぎたせいだろう。慣れないことをすると、百合の身体は驚いてしまうのだ。
「いつも?」
「パーティーでもたまに助けてくれたの。大山田専務や、他にもしつこい男性はいるから」
「あらー」
なるほど。私が京都住まいをしている間、ふたりは都内でパーティーなどの折に顔を合わせているわけだ。何かあった時は成輔が助けてくれていたということね。
「私の可愛い妹を助けてくれてありがとう」
「葵が素直に俺に感謝を……」
「いつも感謝してるじゃない。今朝も朝ごはんにお礼言ったけど」
私たちのやりとりを百合はくすくす笑って見ている。
それからふうと息をついた。
「でも、私やお姉ちゃんを「女性」としかカテゴライズしない人を見ると嫌な気分になっちゃう」
「本当ですか。それはいいことを聞いたな。では、いそいで参りましょうかな」
議員と直接会話するチャンスと急ぎ始める大山田専務はもうこちらを向いていない。それなら、こちらももう会話しなくていい。
行ってしまった大きな背中を見送り、私は成輔を見た。
「ありがとう。助かった」
「やっぱり絡まれてた? あのおじさん、若い子と見ると節操ないからさ」
「成輔さん、いつもありがとう」
百合が私の後ろから顔を出した。顔色が悪いのは怒りすぎたせいだろう。慣れないことをすると、百合の身体は驚いてしまうのだ。
「いつも?」
「パーティーでもたまに助けてくれたの。大山田専務や、他にもしつこい男性はいるから」
「あらー」
なるほど。私が京都住まいをしている間、ふたりは都内でパーティーなどの折に顔を合わせているわけだ。何かあった時は成輔が助けてくれていたということね。
「私の可愛い妹を助けてくれてありがとう」
「葵が素直に俺に感謝を……」
「いつも感謝してるじゃない。今朝も朝ごはんにお礼言ったけど」
私たちのやりとりを百合はくすくす笑って見ている。
それからふうと息をついた。
「でも、私やお姉ちゃんを「女性」としかカテゴライズしない人を見ると嫌な気分になっちゃう」