熱情滾るCEOから一途に執愛されています~大嫌いな御曹司が極上旦那様になりました~
「まあ、多いよね。男女の区別と差別をはき違えている人」
理系はいまだに男性が多い。そのせいか、そういった無意識の差別や露骨な差別には散々晒されてきた。私は図太い方だけど、繊細な百合は女性として下心込みで見られるたび、心をすり減らしてきたのではないかと心配になる。
「無神経な連中に付き合って嫌な想いをすることない、と言いたいところだけど、あっちから寄ってくることもあるもんな。俺がいるときは、なるべくふたりの盾になれるようにするよ」
成輔の言葉はありがたいが、私は頼って陰に隠れていたくないなと思った。嫌なことを言う人にははっきり言い返すが、きっちり無視か。嫌な視線や差別から守られなければならないのが女性だとは思いたくない。
しかし、成輔の言葉が『女性だから守らなければ』なのではなく、『好きな人とその妹だから守らなければ』という感情から発されているのはわかるのだ。限に今、嫌な空気に割って入ってきてくれた。
「頼りにしてる」
「成輔さん、頼もしいです」
私の言葉と百合の言葉が重なった。百合をちらりと見て、なんだか胸がざわっとした。
熱心に成輔を見つめる百合の横顔。
百合のこんな表情を、私は昔見たことがあるような気がする。
そして、私の胸のざわざわも覚えがある。それがいつだったか、思い出せないだけ。
成輔はパーティーに戻っていき、私と百合は生け込みを仕上げてホテルを後にした。
理系はいまだに男性が多い。そのせいか、そういった無意識の差別や露骨な差別には散々晒されてきた。私は図太い方だけど、繊細な百合は女性として下心込みで見られるたび、心をすり減らしてきたのではないかと心配になる。
「無神経な連中に付き合って嫌な想いをすることない、と言いたいところだけど、あっちから寄ってくることもあるもんな。俺がいるときは、なるべくふたりの盾になれるようにするよ」
成輔の言葉はありがたいが、私は頼って陰に隠れていたくないなと思った。嫌なことを言う人にははっきり言い返すが、きっちり無視か。嫌な視線や差別から守られなければならないのが女性だとは思いたくない。
しかし、成輔の言葉が『女性だから守らなければ』なのではなく、『好きな人とその妹だから守らなければ』という感情から発されているのはわかるのだ。限に今、嫌な空気に割って入ってきてくれた。
「頼りにしてる」
「成輔さん、頼もしいです」
私の言葉と百合の言葉が重なった。百合をちらりと見て、なんだか胸がざわっとした。
熱心に成輔を見つめる百合の横顔。
百合のこんな表情を、私は昔見たことがあるような気がする。
そして、私の胸のざわざわも覚えがある。それがいつだったか、思い出せないだけ。
成輔はパーティーに戻っていき、私と百合は生け込みを仕上げてホテルを後にした。