熱情滾るCEOから一途に執愛されています~大嫌いな御曹司が極上旦那様になりました~
翌週、私は実家を訪れていた。
炊き込みご飯の御礼にと成輔がお菓子を買ってきたのだ。限定品の高いお菓子らしいけれど、私はよくわからない。

「まあ、成輔さんは本当によく気を遣ってくれる人ねえ」

母はお茶を淹れ、早速お菓子を開けて私の前に出す。可愛い形のタルト。

「私はいいのに、お父さんと百合が帰ってきたらあげなよ」

今日、ふたりは院田流の仕事で出かけている。

「いいわよ。たくさんあるし、食べましょう。そういえば、百合がこの前雑誌の取材を受けたのよ。」
「百合が取材を?」
「そうなの。ロングインタビュー、この家でね」

母はマネージャーよろしく取材の間同席していたらしい。
院田流や父に取材が入ることは今までもあったし、作品である生け花が取り上げられることも多かった。しかし、百合個人に取材が入るというのは初めてだ。

「百合は未来の家元として、すごく好印象だったわよ。話すのが上手だった」

母の感想は、子どもの学校の参観日みたいだ。母なりに嬉しいというのは伝わってくる。

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