熱情滾るCEOから一途に執愛されています~大嫌いな御曹司が極上旦那様になりました~
「成輔、本当に私と結婚するつもりなの?」
「そうだけど?」
成輔はとても自然に答える。
「俺は昔から、葵ちゃんが好きだって言ってるだろ」
確かに子どもの頃は可愛がってはくれたし、中高時代は可愛いだの大人になったら結婚しようなどと笑って口にしていた。でも、五つも年上のそんな軽口、信じるはずがない。
「院田流の家元と風尾グループの跡継ぎが結婚することに意味があるんじゃないの?」
私の問いに、成輔が首をすくめる。
「自由恋愛の時代にそれ? たぶん、スタートは親同士の口約束でしょ」
「じゃあ、余計に私である理由がない」
「俺がきみのことを好きだから、お見合いを申し込んだ。これじゃ駄目?」
成輔はにっこり笑う。いつも思うが、綺麗な笑顔すぎて胡散臭い。
「ちなみに、お見合い相手が俺だっていうのをご両親が話さなかったのは、俺がお願いしたからだよ。俺が相手だったら、きみは走って逃げるでしょ」
それはそうかもしれない。しかし、両親まで巻き込んだ茶番だとしたら、いっそう腹が立つ。両親としては、風尾家と縁付けば私が家元を継がなくてもいいという判断か。
「待って、院田家の娘がいいなら、百合がいるでしょ。私と百合を比べたら、絶対百合を選ぶ。普通の男はそう!」
そこまで言って、私はぶんぶんと首を左右に振った。
「待った、今のなし。可愛い妹を成輔の毒牙にかけるわけにはいかない」
「そうだけど?」
成輔はとても自然に答える。
「俺は昔から、葵ちゃんが好きだって言ってるだろ」
確かに子どもの頃は可愛がってはくれたし、中高時代は可愛いだの大人になったら結婚しようなどと笑って口にしていた。でも、五つも年上のそんな軽口、信じるはずがない。
「院田流の家元と風尾グループの跡継ぎが結婚することに意味があるんじゃないの?」
私の問いに、成輔が首をすくめる。
「自由恋愛の時代にそれ? たぶん、スタートは親同士の口約束でしょ」
「じゃあ、余計に私である理由がない」
「俺がきみのことを好きだから、お見合いを申し込んだ。これじゃ駄目?」
成輔はにっこり笑う。いつも思うが、綺麗な笑顔すぎて胡散臭い。
「ちなみに、お見合い相手が俺だっていうのをご両親が話さなかったのは、俺がお願いしたからだよ。俺が相手だったら、きみは走って逃げるでしょ」
それはそうかもしれない。しかし、両親まで巻き込んだ茶番だとしたら、いっそう腹が立つ。両親としては、風尾家と縁付けば私が家元を継がなくてもいいという判断か。
「待って、院田家の娘がいいなら、百合がいるでしょ。私と百合を比べたら、絶対百合を選ぶ。普通の男はそう!」
そこまで言って、私はぶんぶんと首を左右に振った。
「待った、今のなし。可愛い妹を成輔の毒牙にかけるわけにはいかない」