妖帝と結ぶは最愛の契り
「そう思うならば見せてやろう。鬼の血も受け継ぐ九尾の炎を」
髪を撫でた手で優しく美鶴を抱いたまま、弧月はもう片方の手に青い炎を出現させる。
「良いだろう、その娘共々燃やし尽くしてくれる!」
叫びと同時に碧雲の赤い炎が放たれ、対する弧月も青き炎を放つ。
双方の手を離れた炎は真っ直ぐにぶつかり、拮抗し合うかに見えた。
だが、押し合うことなく青い炎が赤を包み吞み込む。
「なっ⁉ なにが⁉」
赤の炎を吞み込んだ青い炎はそのまま碧雲に向かって行き彼を包み込んだ。
青い炎に包まれた姿は先ほど灯の幻火に包まれたときと同じ。
だが、包まれた碧雲の様子はまるで違った。
「ぐあぁっ! 熱いっ! 何故だ? 何故たかが幻だというのに熱を感じる⁉」
「だから鬼の血も受け継いでいると言ったであろう?」
叫びの中に戸惑いの言葉を混ぜながら膝を付く碧雲に、弧月は平坦な声で話した。
「確かに妖狐の炎の本質は幻を見せる幻火だ。それは九尾であっても同じ」
「ならば何故熱いぃ⁉」
「それは何度も言っているだろう? 鬼の血を受け継いでいるからだと。俺は自分の意志で炎の性質を変えることが出来るのだ」
妖狐としての幻火と鬼の血を受け継ぐ者としての熱き炎。そのどちらも使えるのだと語る。
そして腕を軽く振り、一度炎を消した。
髪を撫でた手で優しく美鶴を抱いたまま、弧月はもう片方の手に青い炎を出現させる。
「良いだろう、その娘共々燃やし尽くしてくれる!」
叫びと同時に碧雲の赤い炎が放たれ、対する弧月も青き炎を放つ。
双方の手を離れた炎は真っ直ぐにぶつかり、拮抗し合うかに見えた。
だが、押し合うことなく青い炎が赤を包み吞み込む。
「なっ⁉ なにが⁉」
赤の炎を吞み込んだ青い炎はそのまま碧雲に向かって行き彼を包み込んだ。
青い炎に包まれた姿は先ほど灯の幻火に包まれたときと同じ。
だが、包まれた碧雲の様子はまるで違った。
「ぐあぁっ! 熱いっ! 何故だ? 何故たかが幻だというのに熱を感じる⁉」
「だから鬼の血も受け継いでいると言ったであろう?」
叫びの中に戸惑いの言葉を混ぜながら膝を付く碧雲に、弧月は平坦な声で話した。
「確かに妖狐の炎の本質は幻を見せる幻火だ。それは九尾であっても同じ」
「ならば何故熱いぃ⁉」
「それは何度も言っているだろう? 鬼の血を受け継いでいるからだと。俺は自分の意志で炎の性質を変えることが出来るのだ」
妖狐としての幻火と鬼の血を受け継ぐ者としての熱き炎。そのどちらも使えるのだと語る。
そして腕を軽く振り、一度炎を消した。