妖帝と結ぶは最愛の契り
(これは……川?)
小雨が降る中、河原で何かを探している自分がいた。
おそらくまた父あたりに無理を言いつけられたのだろう。
そうでなければ進んで外に出ることなど無いのだから。
砂利の中を歩きづらそうに探し物をしていた自分は大きな音に顔を上げる。
だが、そのときには上流から襲いかかってくる濁流がすぐ目の前にあり……逃れる術はなく、流され、溺れ……死んだ。
「うっ!」
「ん? どうした?」
自分の死の予知に眩暈がする。
今日の予知を視たときには大して拒否感は覚えなかったが、つい先ほど生きたいと願ってしまったこともあり拒否反応がすさまじい。
(ああ……でも、やはり死の運命からは逃れられないという事かしら)
予知したことは七日以内に必ず起こる。
どういうわけか今回は変わってしまったが、次に見た予知も自らの死ならば自分はやはり死ぬ運命なのだろう。
「どうしたのだ? やはりどこか怪我を? それとも煙を吸ってしまったか?」
明らかに具合が悪そうな美鶴の背中を弧月は心配そうに撫でる。
背に伝わってくる温かさに、美鶴は平静を取り戻した。
(帝であらせられるのに、私のような平民にも優しくしてくださるのね……)
小雨が降る中、河原で何かを探している自分がいた。
おそらくまた父あたりに無理を言いつけられたのだろう。
そうでなければ進んで外に出ることなど無いのだから。
砂利の中を歩きづらそうに探し物をしていた自分は大きな音に顔を上げる。
だが、そのときには上流から襲いかかってくる濁流がすぐ目の前にあり……逃れる術はなく、流され、溺れ……死んだ。
「うっ!」
「ん? どうした?」
自分の死の予知に眩暈がする。
今日の予知を視たときには大して拒否感は覚えなかったが、つい先ほど生きたいと願ってしまったこともあり拒否反応がすさまじい。
(ああ……でも、やはり死の運命からは逃れられないという事かしら)
予知したことは七日以内に必ず起こる。
どういうわけか今回は変わってしまったが、次に見た予知も自らの死ならば自分はやはり死ぬ運命なのだろう。
「どうしたのだ? やはりどこか怪我を? それとも煙を吸ってしまったか?」
明らかに具合が悪そうな美鶴の背中を弧月は心配そうに撫でる。
背に伝わってくる温かさに、美鶴は平静を取り戻した。
(帝であらせられるのに、私のような平民にも優しくしてくださるのね……)