妖帝と結ぶは最愛の契り
「……その、弧月様は双子と同じ狐の妖なのですよね? 本来の姿では、白金色の美しい毛並みをした耳としっぽがあると」
「……ああ、そうだな」
二度ほど瞬きした弧月は“なんだ、そんなことか”とでもいうように頷く。
だが、その辺りのことは少々複雑なのだと小夜に教えられた。
妖の中でも最強の妖力を持つのは五種の鬼の一族で、みな金の目を持ちそれぞれ五行の力を操るそうだ。
火鬼、水鬼、木鬼、金鬼、土鬼。
時雨も水鬼の一族で、水を操るのだとか。
中でも火鬼は特に妖力が強く、歴代の妖帝は火鬼が多いのだそう。
先々代の妖帝も火鬼で、弧月の祖父に当たるらしい。
先々代の妖帝の娘が妖狐の一族に降嫁し、生まれたのが弧月だそうだ。
鬼ほどではなくとも妖狐の一族もかなりの妖力を持つ家系。
鬼の血も受け継ぎ妖狐として生まれた弧月は、歴代の妖帝をもしのぐ妖力を持っていた。
一番強い妖力を持つ者が妖帝となるため、弧月が帝になるのは当然のこと。
だが、一部では狐が妖帝になるなど……と不満を抱く者もいるそうだ。
弧月本人は気にしていないらしいが、そのせいで信用できる者が少ないのだと小夜は嘆いていた。
そんな弧月に妖狐であることを確認し、あまつさえ――。
「……ああ、そうだな」
二度ほど瞬きした弧月は“なんだ、そんなことか”とでもいうように頷く。
だが、その辺りのことは少々複雑なのだと小夜に教えられた。
妖の中でも最強の妖力を持つのは五種の鬼の一族で、みな金の目を持ちそれぞれ五行の力を操るそうだ。
火鬼、水鬼、木鬼、金鬼、土鬼。
時雨も水鬼の一族で、水を操るのだとか。
中でも火鬼は特に妖力が強く、歴代の妖帝は火鬼が多いのだそう。
先々代の妖帝も火鬼で、弧月の祖父に当たるらしい。
先々代の妖帝の娘が妖狐の一族に降嫁し、生まれたのが弧月だそうだ。
鬼ほどではなくとも妖狐の一族もかなりの妖力を持つ家系。
鬼の血も受け継ぎ妖狐として生まれた弧月は、歴代の妖帝をもしのぐ妖力を持っていた。
一番強い妖力を持つ者が妖帝となるため、弧月が帝になるのは当然のこと。
だが、一部では狐が妖帝になるなど……と不満を抱く者もいるそうだ。
弧月本人は気にしていないらしいが、そのせいで信用できる者が少ないのだと小夜は嘆いていた。
そんな弧月に妖狐であることを確認し、あまつさえ――。