千秋くん、優しくしないでください!!

「楓ー!!」
また大きな声でゆさぶると、
「うるさい。」
寝ぼけながら、そう言って私を抱きしめてきた。
よし、作戦通り。
多分、私のことは暖かい布団だと思ってるんだろうな。
私は楓の腕の中でモゾモゾ動いて、脇をこちょこちょする。
これぞ、こちょこちょの術!
すると、
「ハハッ、く、くすぐったい!!」
やっと、瞳に涙を浮かべながらも起きてくれた楓。
楓は脇が弱いのだ。
「はーやっと起きた。」
安堵の息を吐く。
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