千秋くん、優しくしないでください!!

「ごめんって!でも、別にこちょこちょじゃなくても…」
謝りながら、文句を言う楓。
「そんなこと言うんだったら、私、次は起こしてこないからね。」
「嘘嘘!!ありがとうございます!助かってるので、起こしてきてください〜」
ちょっと、意地悪言ってみただけなのに、完全に本気にして焦っている楓。
必死すぎる姿に思わず笑みが溢れる。
「よろしい。
っていうか、早く準備して!学校の!」
部屋の時計はもう7時半を指している。
だいぶ、起こすのに時間かかっちゃった…
「あ、ホントだっ!」
勢いよくベッドから降りて、一階に降りた私たち。
その後は、朝の学校に行くまでのアレコレを急いで済まして、家を出た。
えーっと今は、7時50分。
腕時計を確認して、楓と学校へ向かう。
「ふぅ、今日も朝を乗り切った。」
「いつもごめんね。」
そう言って申し訳なさそうに謝る楓は、もうさっきまで寝ぼけてたのが嘘みたいに、可憐な雰囲気を纏っている。
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