千秋くん、優しくしないでください!!

教室の扉を開けて教室に戻ろうと足を動かす。
「お腹空いたな…」
さっきケンカした最初の感想がそれなのか…と思うけど、内心どうでもいい。
あれは正当防衛だし、そもそも暴力が好きな性癖なんて持っていない。
相手も私を半殺しにしようとかは思ってなかっただろうけど、少なくとも顔に傷くらいはつけようとか思っていたと思うし…

まぁ、人を殴るのはいい気分しないけど、自分を守るためだ。

というか、ほんとにお腹すいた…

さっきの呼び出しと、男達の相手してたから結構昼休みの時間ないんだよね…
チラッと廊下の時計を見ると、もうあと10分ほどしかない。
お弁当今日はない日だから、購買だけど実はもう買ってあるんだよね。
パン2つ。
「どうしよ、サボろうかな…。」
まぁサボりは普通ならいけないけど…お腹空いてるしね。
〝優等生〟である私だけど、一つぐらい授業をサボってもなんら問題はない。 
確か、次の授業は…数学だったけ?
まぁ、前の範囲からだけどそこもう自習済みだし、友達にあとでノート見せて貰えばいいかな。
「さて…でも先生に見つかるとめんどくさい。
ということはどっかの空き教室かな…?」
うーん、図書室?
誰も使わないしそこでもいいけど…先生が来る可能性がある。
てことは…屋上。
この学校の屋上は四階だから人気の少ない階段を通っていけば大丈夫かな。
「よし。」
そして、私はサボるために屋上に向かった。
だけど、考えもしなかった。
まさか…あの人に隠していた秘密がバレるなんて…

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