君のため、最期の夏を私は生きる
 まず最初に、彼はこう言うだろう。

「この後、少し時間取れない?」

 そしてそれは、その通りになった。
 私は、あえて自分の知っている展開通りの言葉を返してみた。

「どこに?」

 もしも。
 もしもこの人が次にあの場所と行動を言ったら、間違いない。

「コンビニでスイカアイス買って、公園で食べない?」

 ああ。やっぱりそうか。
 私は、ようやくここで確信した。
 これは、二度目の人生なのだ、と。
 私は、過去になったはずの7月31日をもう一度生きているのだ、と。
 だとすれば、やることは1つ。

「お断りします」

 私は、一度目の人生で予期せず手に入れることができた、天にも昇るような気持ちを手に入れない決意をした。
 全ては、世界に愛されたこの虹の光を守るため。
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