私の人生を変えてくれた人 〜もし君が生きてたら〜 後編
「やだ………」
「どうして?
帰りたくないのか?」
「……帰る………………」
「山中先生の話聞いたら帰ろうな」
「やなの………」
「香音が山中先生の話聞かないと俺も香音も帰れないよ?」
「……………先に帰ってれば良かったのに………」
「こんな泣き虫な子置いて帰れるわけないだろ?
一人なのも心配だし…………それにさっき約束しただろ?
置いて帰らないって」
「………………………」
「あと少しだけ頑張って一緒に帰ろ?
俺も一緒にいるからさ」
「……………一緒にいてね…?」
「もちろん
じゃあ……呼ぶな」
そしてナースコールを押した
するとすぐに山中先生は来てくれた
「下山さんありがとうございます」
「いえ」
「……香音さん、体調はどうですか?」
「………………………………」
「…………もう後藤先生のところには連れて行きませんから
本当にすみません…………
君が話したいと思った時に……聞いて欲しい人に話してください
君は一人じゃないですから」