私の人生を変えてくれた人 〜もし君が生きてたら〜 後編

「…………………」

「あと………君は軽すぎです
 もっと食べてください
 特に鉄分を摂ることを意識してください
 貧血…………治りませんよ」

「……………」

「来週も同じ時間に予約入れときましたから
 来てくださいね
 下山さんは再来週には結果出てると思うのでそれ以降の都合の良い日に来てください
 それじゃあ……………気をつけて帰ってくださいね」

「……………………」

「山中先生、ありがとうございました」

終始無言だった香音を連れ、診察室を出た




会計なども済まし外へ出るともう暗くなっていた


「香音……………今日はもう帰ろうか
 疲れただろ」

「…………………」

「忙しいと思うけどさ………ご飯食べなよ」

「………………やだ……」

「ん?」

「やだ………帰りたくないし………食べたくない……………」

「どうした?
 帰りたくないのか?」

「………………」

そこで俺は立ち止まり香音と向き合った

「一人暮らししてるんだろ?
 それなら家に帰って嫌なことある訳じゃないだろ?」

「………………うん」

「なら帰ろ?
 明日は大学あるんだろ?
 明日に向けて体休めた方がいい」

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