私の人生を変えてくれた人 〜もし君が生きてたら〜 後編

「っ…………………」

「それにたとえ治療法が見つかったとしても香音はやらねぇよ」

「………何でそんなことが分かるんだよ」

「簡単だ
 香音、病院嫌いだもん」

「治療すれば目が見えるようになるんだぞ?」

「あいつにとっては今の状態があいつの普通なんだよ
 あいつはそれを変えるつもりはないと思うぞ
 わざわざ病院に行ってまで」

「でも…!」

「諦めろよ!
 香音はそんなこと願ってない
 願ってないのに変に騒ぐな
 あいつの普通を否定するな
 頼むから………香音を否定するようなことだけはしないでくれ」

「…………………」

「……お前には香音を渡さない
 俺が香音を守る」

「…………俺は諦めねぇぞ」

「好きにしたらいい
 負けるつもりはないから」

「このっ…!」

「でもまぁ一つだけ礼を言うよ
 今まで香音を変な男から守ってくれてありがとう
 でもこれからは俺がいるから
 早く新しい恋探せ
 じゃあな」

まだ何か言いたげな佐藤を置いて香音の家の中に入った


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