私の人生を変えてくれた人 〜もし君が生きてたら〜 後編
「やだ
忘れない
お前の言葉、忘れないよ」
そしてさらに力強く抱きしめた
「何でも話して………そういう約束だろ?」
「…………約束してない」
「じゃあ今しよう
香音、俺には何でも話せ
お前の言いたいこと、全部聞くから」
「…………やだ………」
「お前に拒否権はない」
「………………全部話したら………雄斗も話してくれるの…?
この6年間のこと…………」
「………いいよ
香音がちゃんと話してくれたら俺も話す
この6年、お互い何してたか知ろう?」
「…………分かった」
「よし!
じゃあ………傷がどうした?」
「…………………掻いてる」
「……掻いてる…?」
「………………お腹とか胸とかにある傷…………昔のも割と最近のも…………血が出るくらいまで………掻いちゃってる…………」
「っ!
大丈夫か?
痛くない?」
「…………痛くても自業自得………」
「香音……………」
「今の私の体………汚くなってる………
やめたくても…………やめれないんだ………」
「…………山中先生は……知ってるのか…?」