私の人生を変えてくれた人 〜もし君が生きてたら〜 後編
そしてあっという間に時間は過ぎた
「香音………そろそろ病院向かおうか」
そう言うと香音は立ち止まった
「…………………」
「おーい、香音さーん?
聞いてますかー?」
「………………聞いてません
何も聞こえません!」
「聞こえてるよなー?
嫌なのは分かるけど行くぞー」
「…………やだ、行かない
雄斗………このまま帰ろ…?」
「無理ー
山中先生にちゃんと診てもらえ」
そして無理矢理香音の手を引っ張って歩き出した
「…………雄斗、手痛い」
「じゃあちゃんと歩け」
「………………………行きたくない」
「はいはい、それは分かったから」
「じゃあ!」
「離してほしいなら自分で振り離せ
お前がそんなこと出来るならしてみろ」
「……………………ひどい」
「仕方ない
香音が病院行こうとしないから
俺だって好きでこんなこと言ってる訳ではない
実際、今ここで振り離されたら俺は泣くよ?
悲し過ぎるもん」