私の人生を変えてくれた人 〜もし君が生きてたら〜 後編

「そんなに……?」

「…………香音に対して好きというより………執着してるだけです………アイツは」

「…………香音は本当に何もされてないのか…?」

「……………………聞いたことはないです
 ただ………僕は一つ怪しいと思ってます」

「怪しい…?」

「…………大学に入ったすぐ、階段から落ちたこと知ってますか?」

「まぁ……少しは………」

「香音………佐藤に呼び出されて人気のない階段に一人で行ったみたいなんです
 それで落ちて…………最初に発見したのは佐藤なんです」

「でも佐藤がやったという確証は………」

「ないです
 でもおかしいと思いませんか?
 わざわざ人気のないところに呼び出して………あの二人、良く一緒にご飯も食べてるんですよ?
 何か話があるならそこで話してもいいはずなのに…………」

「………………確かに怪しいな
 でも……そんなことして佐藤にメリットはあるのか?」

「………香音の佐藤への信頼度が上がりましたよ
 なんなら…………香音に寄ってくる男が減りましたから
 その一件で」

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