私の人生を変えてくれた人 〜もし君が生きてたら〜 後編

〜香音目線〜

「…………言いたくなかったらいいんですが……前田君とはどのようなご関係で?」

雄斗と悠馬が出ていくと山中先生にそう聞かれた

「………………元カレ」

「っ!
 もしかして………結構やばい状況にしちゃいました…?」

「大丈夫ですよ……あの二人なら
 喧嘩とかするような人達じゃない」

「なら良いんですけど…………前田君………君の診察の時は外しますね」

「………そんなことしていいんですか?」

「良くはないけど………事情も事情ですし
 仕方ないと思います」

「…………私は別にかまいませんよ
 悠馬………嫌いになったわけではないので」

「………本当にいいんですか?」

「はい
 まぁ……この傷の処置だけは見られたくないですね
 雄斗にも」

「分かりました
 じゃあその時だけ…………」

そして話し終えると傷の処置が始まった

「…………………寒い」

「………冬ですからね」

「………………寒いからやめませんか?」

「無理です
 この傷………放っておくことは出来ません」

「ひどい……」

「諦めてください………………終わり次第下山さんにでも暖めてもらってください」

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