私の人生を変えてくれた人 〜もし君が生きてたら〜 後編

「………………はい」

「うん!
 じゃあ山崎君頼んだよ!」

「了解です!
 じゃあ香音ちゃん………とりあえず熱測ろうっか」

そして体温計を受け取り、脇に挟んだ

「…………ごめんね
 氷川がいれば良かったんだけど………」

「……………氷川さんも………?」

「うん
 あいつも山中先生と一緒
 午後から来るよ
 だからそれまでは俺で我慢してくれるかな?」

「別に…………山崎さんが悪い人じゃないのは分かってる………」

「そっか
 ん、熱も大丈夫そうだね
 体調はどう?」

「…………普通……です」

「りょーかい
 血圧とかも測りたいところだけど………今日はやめておこうか」

「えっ…………でも…………」

「…………本当はまだ怖いでしょ?
 手が震えてる…………あまり怖い思いはさせたくないからさ
 北条先生、いいですか?」

「うん、山崎君がそう決めたならいいと思うよ
 余程のことがない限り口出しするなって言われてるからね」

「あはは、本当忠犬っすね!」

「でしょ!
 まぁでも、今無理させて発作起きても困るしね
 俺もやらない方が良いと思うよ」

「ですよね!
 じゃあ香音ちゃん、朝の回診は終わるね
 何か言いたいこととかある?」

「…………………………」

「………何かあったらいつでも呼んでね
 飛んでくるから!
 じゃあゆっくりしててねー」


そうして山崎さんと北条先生は出て行った


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