私の人生を変えてくれた人 〜もし君が生きてたら〜 後編

「………香音が………踏み止まった………」

そして目が合った

香音の側に落ちていたイルカのぬいぐるみと

お前が………香音のことを…………

香音………このぬいぐるみのこと………覚えててくれたんだ………

「………………お前、ありがとな
 助かった」

イルカのぬいぐるみをそっと撫でた

「それは…?」

「…………昔、香音にあげたぬいぐるみと同じやつ
 昔も………コイツが俺の代わりに香音を守ってくれてたんです」

「そう……だったんですね」

「……………良かった、踏み止まってくれて
 これ以上やっていたら………」

「ですね…………爪だけでもこんなになるなんて…………」

「………手当したいんですけど……少し待っててもらえますか?」

「全然いいですよ
 まだ時間はありますし」

そして俺は香音の手当を始めた


香音が倒れていた大きな原因は……多分疲れだと思う

そもそもここに来るまででも疲れたはずだし…………目の周りも赤くなってる

泣いちゃってたんだろうな………

本当………一人で無理しすぎだよ………

傷もそれなりに深いし………

これ以上……お前が傷つくところはみたくないんだよ………

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