私の人生を変えてくれた人 〜もし君が生きてたら〜 後編
手当を終えると病院に電話をかけた
「…………もしもし
山中先生はいらっしゃいますか?」
「はい、少々お待ちください」
少し待っていると山中先生の声が聞こえた
「もしもし?」
「もしもし、下山です
香音、見つけました」
「本当ですか!?
良かった…………」
「ご迷惑をおかけしてしまってすみません………」
「いえ、大丈夫ですよ
どこにいたんですか?」
「俺の家です」
「そうでしたか……
香音さんの様子は?
大丈夫ですか?」
「…………家の中で倒れてました
爪で掻きむしったようで腹部や足のところから血がでてました
今も眠ったままです」
「血は止まりました?」
「今、手当して止まりました
……………香音はどうすればいいんですか……?」
「…………………本音を言えば病院に戻してほしいですけど……………彼女を傷つけてしまった以上、今すぐにとは言えないですね」
「では………外泊させてもいいってことですか?」
「…………明日には戻ってくるという条件付きなら
ただ発作が起きるようであれば………なるべく早く戻って来てほしい………とは思います」
「……………せめて今日だけは、一緒にいたいです
香音と話してこれからどうしたいのか聞きたいです」
「…………分かりました
遅くとも………明日の夜には戻って来てください
今後のことについてはそこで話させてもらえますか?」