私の人生を変えてくれた人 〜もし君が生きてたら〜 後編

「気にするな
 んで、彼女はどうしたんだよ?
 訳アリ何だろ?」

「………香音、ご飯全然食べてなくて……血液検査の結果が悪かったのと、喘息の治療のために入院していたんだ
 でも………そこで今日、嫌なことがあったみたいで………昼間に病院を抜け出して、ずっと俺の家にいたんだ」

「その………嫌なことって?」

「…………アイツ、過去に色々あって男性が苦手なんだ
 あっ、でも、全員ダメって訳じゃなくて!
 本当に………特定の人に苦手意識というか………拒否反応というか……そういうのが強くて………
 でもアイツは本当にいい子なんだよ!」

「別にそこは分かってる
 雄斗は良い人の区別はつくだろうし」

「親父………
 まぁ……それで……病院にも苦手な医者がいるらしくて………
 最初はその人が担当だったらしいけど………すぐに別の人に変わって………その先生には香音も心開いてて……
 実際、俺もその先生に会って凄い良い人だなって思った
 患者思いの優しい先生で、香音の気持ちも否定しないで受け止めてくれてる」

「……良い医者だな」
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