私の人生を変えてくれた人 〜もし君が生きてたら〜 後編

二人の視線の先には、部屋の隅にうずくまっている香音の姿があった

顔も膝に埋めて少し震えていた

「あー…………すみません
 少し二人にさせてもらえますか?」

「分かりました
 落ち着いたら呼んでください」

そして二人は出ていった

「………香音?」

「…………早く………帰りたい………」

「帰ろうな
 勝手に連れて来てごめんな」

そして頭を撫でようと触れた瞬間

パチンッ

「あっ………ごめん……」

香音に手を払われてしまった

「………ごめん…………今だけは…………触れないで…………怖いから…………」

「ん………ごめんな………
 触れないから………隣に居てもいい?」

「……うん…………」

そして俺が着ていた上着を香音の肩にかけて、隣に腰を下ろした

「………これ………いい………………」

「暑い?
 香音結構寒がりだから寒いかなって思ったけど………暑いなら取っていいよ
 いつも着てるパーカーも無いから…………気分的にも何か羽織りたいんじゃないかなー…とか思ったり」

「……………雄斗……寒いから………」

「俺はそうでもないよ
 香音程寒がりじゃないから
 暑くないなら羽織ってな」

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