私の人生を変えてくれた人 〜もし君が生きてたら〜 後編

「……………いつから握ってた…?」

「…………雄斗…………感覚もない……?」

「……鈍くなってる
 だからあまり気づかない
 ごめんな、気づけなくて」

「……………雄斗は……悪くない………
 私だって………分からない………左目………見えない………」

「……………この腕になってさ、ほんの少しだけ香音の気持ち知れたと思う
 でも香音は俺以上に辛いはずだし、苦しんでると思う」

「………………………」

「今まで通りに仕事なんか出来なかったよ
 周りの人達も助けてくれようとしてたのに…………最初は断っちゃったんだ
 自分は出来るって信じて…………後少し頑張ればみんなと同じように出来るって…………」

「それって…………」

「中学の頃の香音と同じ感じだよな
 俺は周りを頼れって言ってたのに…………いざ自分もそうなってみるとな
 やっぱそうなっちゃったわ」

「……………そっか」

「結局、溜まりまくってた仕事のほとんどを高梨先生が引き受けてくれて
 最初は様子見てたけどこれ以上は無理だって言われて
 仕事溜まりまくってたから………夜もあまり寝れないし、ご飯も食べれなかった
 本当、香音に言ってた言葉全部俺に跳ね返ってきた感じだよ」
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