私の人生を変えてくれた人 〜もし君が生きてたら〜 後編

「……………そっか」

そして香音の手が離れた

「………ごめんな
 電話してくるわ」

そしてその部屋を出て廊下で電話をかけた


プルルルルルル…………

「………もしもし」

「あ、親父?
 少し時間大丈夫か?」

「あぁ
 どうかしたか?」

「あのさ、診察無しで帰ってもいいか?
 精神的に厳しそう………」

「……………彼女の様子は?」

「…………気分は大分落ち込んじゃってるけど………喘息の方は大丈夫そう
 勝手に点滴抜いたらしく手から血が出てたけど」

「………………出来れば診察受けていってほしいけど……無理か?」

「………………無理はさせたくない」

「…………分かった
 その代わり、何かあったらいつでも連絡しなさい
 なるべくスマホも気にかけるから」

「あぁ
 ありがとう」

「俺の方から連絡入れとくから
 そのまま帰ってくれ
 くれぐれも安静にな」

そして電話を切った


すぐに治療室へ戻り香音に話しかけた

「香音、帰っていいって
 家に帰ろうか」

「うん…………」

「……立てそう…?」

「…………怖い………」

「…俺も怖い……?」

「……雄斗は………怖くない…………」

「なら良かった
 病院が怖い?
 外に出たら大丈夫?」

「………病院……嫌…………男の人………怖い…………」

「………外に出ちゃえばあまり人いないと思うよ」

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