私の人生を変えてくれた人 〜もし君が生きてたら〜 後編
「それは………そうだけど……………」
「なら行こ?
絶対大丈夫だから」
「手……握っててくれる……?」
「当たり前だろ?
ずっと握ってる、お前が離さない限り」
「…………これ………着てたい………」
「着てな
外は寒いから
風邪引くなよ」
「…………行く………」
「ん、行こうか」
そして香音の手を握りながら歩き始めた
香音はずっと目を瞑っていた
「………………香音、外出たよ」
「……本当…?」
「うん
少し寒くなっただろ?」
そう言うと香音はゆっくりと目を開けた
「………………寒い…」
「寒いなー
早く帰ろうな」
「……………コンビニ行きたい…」
「ん、いいよ
何か欲しいのあるの?」
「………………タバコ……」
「は!?
本気で言ってる?」
「…………………」
「お前バカ?
ダメに決まってるだろ」
「…………雄斗だって吸ってるくせに……」
「んな!?
何で知ってるんだよ………」
「雄斗の部屋にあった………」
「…………今日から吸わない!
俺も禁煙するから香音もダメな!」
「………やだ」
「ダメだ!
てか、香音喘息だろ
ますますダメに決まってるだろ」
「えー……」
「えーじゃないから!
俺がいなくても吸ったらダメだからな!?
苦しくなるぞ」