私の人生を変えてくれた人 〜もし君が生きてたら〜 後編

「換気する?
 少し寒くなるけど」

「…………もう何でもいい………」

「じゃあ開けるな
 寒くなったら言って」

「…………………」

「んー!
 外の風気持ちいいな!
 香音もおいで」

「……………無理」

「香音、色々敏感だよな
 視覚に頼れないせいでそうなったのかもだけど
 匂い以外にも音もそうだし、手足の感覚とかも凄いよな」

「………ごめん……」

「俺は褒めてるんだよ
 凄い頑張ってるから」

「………柔軟剤……どこの………」

「柔軟剤?
 待って、匂う?
 もしかしてこれで気分悪い!?」

「ちがっ!
 その逆で…………全然人工的な匂いしないから………気になって………」

「なら良かった………
 柔軟剤、今度教えてやるよ
 色々試して、俺的に匂いが一番ないの選んだんだ
 これ以外にも香音が好きそうなのあるから」

「…………もしかして………私のために…?」

「そうだよ
 中学の頃から匂い辛そうにしてたから
 香音と出会ってから色々試して今のに落ち着いてる」

「…………バカじゃん………私なんかのために…………」

「だって、匂いキツかったら香音抱きついてくれないじゃん!
 それに役に立ったよ
 香音の他にも匂いがキツイって言う子いたから」

「………そっか」

「うん
 てか、そろそろ出ておいで
 もう匂い大丈夫だから」

そう言われ、おそるおそる布団から顔を出した

「ほら、大丈夫だろ?」
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