私の人生を変えてくれた人 〜もし君が生きてたら〜 後編

「香音」

「ん？」

「………お前……このままご飯食べ続けないつもりじゃないよな…？」

「…………………」

「どうしたら食べるんだ…？
　苦しんで欲しくは無いけど…………体が持たなくなるから…………」

「…………ごめん……」

「……………俺が作ったら………食べてくれるのか…？」

「えっ………」

「…………少し前に前田さんが教えてくれてさ
　ごめんな、我慢させて」

「いやっ！
　ちがっ！！」

「頑張って作るから！
　そしたら………食べてくれる？」

「別に………そんなことしなくても………」

「絶対に作れないわけじゃない
　ただ………時間と労力を考えたら………作る意味が見出せなかっただけで………
　前よりも下手になってるけど」

「別にいいから！
　そんなことしなくて………雄斗には………無理して欲しくないの………」

「無理なんかじゃない
　香音が食べれるかもしれないなら作る
　それはどんなに時間や労力を使っても料理する意味になるんだよ」

「…………そこまでしてもらって私は食べたいわけじゃない」

「俺が食べてほしいだけだ」

「………………………」

「なぁ、香音
　俺はお前のためだったら何だって頑張れるんだ
　出来ることならしてあげたい」