私の人生を変えてくれた人 〜もし君が生きてたら〜 後編

「…………俺、1週間前に香音と喧嘩したんです
 そのままここに入院になって…………電話もメールも一切してなくて………正直合わせる顔がないですね
 腕も治ってないですし…………」

「腕はこれからですよ
 まだ動かなくても………リハビリをすれば少しは動くようになるかもしれません」

「せめて腕治ってから会いたかったな………
 喜んで欲しかった…………でもそんなこと言ってられないですもんね
 香音が俺と会うのを望んでいるなら………会います
 香音はまだ怒ってるかもしれないけど」

「大丈夫ですよ
 それじゃあ呼んできます
 くれぐれも下山さんは動かないでくださいね
 まだ安静にしていないといけませんから」

「分かりました」

そう言って後藤先生は出ていった



少しすると病室の扉が開いた

「下山さん………すみません……………無理を言って…………」

そこには香音を抱き抱えた山中先生がいた

「全然大丈夫ですよ」

「すみません…………ほら、香音さん下山さんですよ
 立てますか?」

「や…………怖い…………行かないで…………」

「僕はどこにも行きませんよ」

「雄斗…………会いたい……………」

「だから下山さんいますよ?
 顔上げてください
 顔埋めてたら何も見えないですよ」

「………出張……………」

「それは下山さんがついた嘘です
 とりあえず椅子におろしますよ」
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