私の人生を変えてくれた人 〜もし君が生きてたら〜 後編
「………優しいね」
「…………はい」
「行こっか」
こうして山中先生の診察室へ向かった
「ア゛ァァァ!」
もう少しで着くというところで誰かの叫び声が聞こえた
「ハァハァハァ………ハァハァ……」
「香音ちゃん、びっくりしたねー
大丈夫だからねー」
そう言って背中をさすってくれたけど…………
ずっと声は聞こえて………それがさらに不安になる
「先に移動しちゃおうか
ちょっとごめんねー」
そして私の体は宙に浮いた
すぐに診察室の中にはいり、ベッドの上におろされた
「もう大丈夫だからねー
びっくりしちゃったよねー」
「………ぅん」
「呼吸は落ち着いたかな
良かった!
疲れちゃったよね
ちょっと寝る?」
「………いい
多分………寝れない……ので………」
「そっか
じゃあ俺とお話ししてよ!
何か最近楽しかったことあるー?」
「…………ない……です………」
「そうなんだ
まぁそういう時もあるよね!」
「……………………」
「…………何か俺に聞きたいことある?」
「えっ…………」
「そんな顔してたから
気のせいだったらごめんね」