私の人生を変えてくれた人 〜もし君が生きてたら〜 後編
「そっか
親父もそれ聞いたら喜ぶよ」
「本当にありがとうございました」
「僕も、本当にありがとうございました
水無瀬先生にも伝えてもらえると嬉しいです」
「おう、伝えとく
二人とも元気でな」
「下山先生こそお元気で」
「水無瀬先生と幸せになってくださいね!」
「ん、じゃあまたな!」
そして仲良く二人で帰って行った
周りを見ても、ほとんどの生徒が帰っていた
………………香音も、この日までは楽しかったんだよな…………
俺は春が嫌いだ
香音の大切な人を奪っていった春が………
香音の笑顔を奪った…………俺から香音を奪おうとした春が…………いまだに嫌いだ
「下山先生」
「あ、高梨先生」
「顔険しいですよー」
「え、本当ですか?
すみません…………」
「………みんななら大丈夫です
普通………あまり飛行機の事故は起こらないですよ」
「そう……ですよね
分かってるんですけど…………どうしても香音と重なってしまう…………
普通では起こらないような事故に………巻き込まれた香音に…………」
「下山先生…………」
「………毎回すみません
卒業生の担任する度にこんな感じになってしまって」
「僕なんかで良ければ話聞きますし、何でも付き合いますから
いつでも頼ってください」
「高梨先生、ありがとうございます
アイツらなら………大丈夫ですよね」
「絶対に大丈夫ですよ」