僕らは世界にのまれてく。
「俺と君は似すぎた少年。でもね、君のことは何でも知ってるよ。だって、」
「俺は、まことの双子の兄だからね」
そっと耳打ちをする彼は言えたことが嬉しそうにして笑ってみせる。
「は‥‥‥?」
その言葉を聞いた途端、僕は息が詰まるるのを実感する。
ーだって、兄は僕が殺したんだー
「ご、ごめん、なさい‥‥‥」
そう謝ると、少年は不思議そうに、驚いた様子で僕の顔を覗き込む。
「なんでまことが謝るの?まことは何も悪くないよ、大丈夫」
青い世界でふたりぼっち。
「だって、僕が兄ちゃんを殺したんだ。僕が生まれてきたせいでっ‥‥‥」
「大丈夫。それは違うから」
そう言って僕を思いっきり抱きしめた。
抱きしめられたその瞬間、熱が体を駆け巡る。
誰かの温もりを感じたかった。
「まこと、困惑させちゃってごめん。ここは教えた通りまことの望んだ世界だよ」