僕らは世界にのまれてく。


僕が望んだ世界。


青い世界。


兄が生きている世界。


二人きりの世界。


兄に愛される世界。


これは全部僕が望んだことだ。


「‥‥‥最高だよ、兄ちゃん」


これからこんな世界が毎日続くなんて、最高だよ。


「喜んで貰えて嬉しいよ、まこと」


「兄ちゃんは、僕の望みを叶えに来てくれたってこと?」


「まぁそうゆうこと。だから用が済んだら俺は消えなくちゃならない」


消える。僕はそれを聞いて何を思ったのだろうか。完全に思考がシャットダウンする。


「なんで、消えちゃダメだよ。だって僕の望みは兄ちゃんが生きてるせかいだから」


「時は止まっていても、時間には限りがある」


肩を掴み僕に言い聞かせる。


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