僕らは世界にのまれてく。
「まこと。俺、まことが考えてることわかっちゃうんだ。だからさ、そんなこと考えないでよ」
「そうなんだ‥‥‥」
「まこと。自分を下げるな。まことは優しくて強い子なんだ。だから、もっと自信を持って」
そんな兄からの言葉に僕は心を救われる。
「ねぇ、兄ちゃん。絶対に消えなきゃダメなのかな」
「うん、絶対なんだ」
「そっか‥‥」
始まりがあれば、終わりだって平等に訪れる。
「ねぇ、まこと」
「何、兄ちゃん」
「正直さ、何にも楽しくないだろこんな世界」
「そんなこと、」
そんなことないよって、僕は言いきれなかった。兄にとっては楽しいのかもしれない。でも、現実の世界で生きてきた僕がには軽々しく言えなかった。
望みの世界に残された二人。
「‥‥でもさ、兄ちゃんと会えたことは凄く嬉しかったよ!」