幼なじみ


「…あの、」


小さく声をあげた私に、言い争っていた二人が気づいて振り返る。


「何よ!」

女の人は、今にも殴りかかってきそうな勢いだ。


「…私、向かいに住んでる者です。
今日は母に頼まれて来ただけで、櫻井君とは何の関係もありませんから。」


「……美咲」



ねぇ、宏ちゃん。


これで良かったんでしょう?


私と宏ちゃんは、ただのお向かいさん。

ただ、それだけの関係。


そうだよね……?



< 15 / 58 >

この作品をシェア

pagetop