幼なじみ


「どっか行くの?」

「うん。ちょっとおばあちゃん家に…」

「そんな格好で?」


ミニスカートに、素足にブーツという私の格好を見て、宏ちゃんが呆れたように溜め息をつく。


「平気だよ?」


「よくねーだろ。風邪ひく」


そう言うと、宏ちゃんは自分の着ていたダウンジャケットを脱ぎ、私の肩にかけてくれた。



「えっ!いいよ。宏ちゃんが風邪ひいちゃうし」


慌てて返そうとすると、


「俺はバカだから風邪ひかないの!
それに、さっき走ったからあちーんだ」


なんて言いながら、大袈裟にパタパタと仰ぐマネをしている。




……優しーんだ。



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