幼なじみ


「宏…ちゃん?」


腕の中で、一瞬、小さな抵抗を見せた美咲。

見れば、大きな瞳がオレを見つめていた。


良かった…。



「すげー心配した」


「…大丈夫だよ?」



大丈夫じゃねーだろ。

こんなに震えて。


……でも。

本当に良かった。




「頼むから…心配させんなっ…!」


「…こ…ちゃん?
……泣いてるの?」



泣き顔を見られたくなくて、美咲の首に顔を埋める。

男のくせに情けねー。


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