幼なじみ


オレの視線に耐え切れなくなったのか、目をそらしながら俯く美咲。


そんな姿が可愛くて…


震える頬に触れ、再びオレの方へと向けさせた。



「…、な、なに?」


「いいから、目閉じて」


「…っ!?」


逃げ場を無くした美咲は、もうオレのモノ。

抵抗が出来ないと分かったのか、静かに瞳を閉じる。

震える睫毛。

涙の跡。


その全てがいとおしくて、せつなくなって――。



オレは壊れものを扱うように、美咲の額に優しく口づけた。



< 56 / 58 >

この作品をシェア

pagetop