修学旅行からはじまる恋の話
うちの学校の修学旅行は少し特殊で、初めの1泊はオリエンテーションと称し学校が保有する宿泊施設を利用する。
そこでグループ分けされ、翌日以降の自由時間はそのグループで行動することになる。
ちなみに今日はその1日目、初日だ。
10分ほど歩いたところで、ベンチで仰向けで横になっている菱田くんを見つけ早歩きで近付いた。
「菱田くん」
見下ろしながら声をかけると、彼はうっすらと切れ長い目を開け、眩しそうにまた瞼を閉じる。
「ちょっと、」
私はイラつきながら菱田くんの左腕を掴み、半ば無理やりにベンチから引きずり下ろした。
「ってぇ…」
仕方なしというように体を起こした菱田くんは、「怪力だな」と言いながらパンパンと制服についた砂埃を払っている。
「学校の外でまで単独行動するのやめてください」
「いちいち連れ戻しに来るのやめてください」
私の小言に即座にそう切り返す頭の回転の速さは一体どこから来るんだろう。
「はぁ。…もういい、早く戻ろう」
私は大きな溜め息と共に、クラスメイトが待つ炊事エリアへと歩いた。
そこでグループ分けされ、翌日以降の自由時間はそのグループで行動することになる。
ちなみに今日はその1日目、初日だ。
10分ほど歩いたところで、ベンチで仰向けで横になっている菱田くんを見つけ早歩きで近付いた。
「菱田くん」
見下ろしながら声をかけると、彼はうっすらと切れ長い目を開け、眩しそうにまた瞼を閉じる。
「ちょっと、」
私はイラつきながら菱田くんの左腕を掴み、半ば無理やりにベンチから引きずり下ろした。
「ってぇ…」
仕方なしというように体を起こした菱田くんは、「怪力だな」と言いながらパンパンと制服についた砂埃を払っている。
「学校の外でまで単独行動するのやめてください」
「いちいち連れ戻しに来るのやめてください」
私の小言に即座にそう切り返す頭の回転の速さは一体どこから来るんだろう。
「はぁ。…もういい、早く戻ろう」
私は大きな溜め息と共に、クラスメイトが待つ炊事エリアへと歩いた。