君に抱いた恋心を記憶の中にそっとしまって。

きっと遥陽さんのことを聞かれるんだろうな……。



「ねぇ、昨日はどうだった?」



ほらね。


頭の中で質問の予想をしていると見事命中。私の席の前の椅子を引っ張り出すとそこに座り、詳しくとワクワクした表情を見せてくる。



「遥陽さんのこと……?」


「そう!メッセージのやり取りしてどうだった?いいひとだったでしょ?」


「……うん。めちゃくちゃ、いいひと……」



紗夜に迫られて頷いた。


いいひとだったのは本当。だけどなんだかそれとは違った感情があった。



「どんなメッセージのやり取りしたの?」


「んー……自己紹介とか、趣味とか?他にもいろいろ話したよ」



質問が止まらない紗夜。


圧に負けそうになるけど正直に話した。色んなことを話したはずなのになんだか今朝のメッセージの内容ばかり思い出してしまって顔が熱くなってくる。



「いろいろ?いろいろって?」
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