君に抱いた恋心を記憶の中にそっとしまって。
そんな私の反応を見て面白そうに尋ねてくる。
滅多に恋バナをしない私がこんな反応をするのは珍しいので面白がっているのはわかるけど。
あ、あんまりいじらないで欲しい……。
「い、いろいろはいろいろ!とにかく話すの楽しかったの!」
誤魔化すことが下手くそな私はそう言うので精一杯だった。もっと上手く誤魔化せたはずなのに……。
うう、紗夜の意地悪!
「あはは!ごめんて。初優が可愛い反応するから思わず」
「もー。紗夜のアホ」
恥ずかしすぎて穴があったら入りたいと思ってしまった……。
人の恋バナを聞いたり、少女漫画を読んだりするのは好きだけど自分の恋の話をするのは相当下手なんだなと思い知らさた。
自分の恋バナって苦手分野だったんだ……。
「長らく恋をしていない初優が新しい1歩を踏みだそうとしてるから嬉しくって思わずね質問責めにしちゃった」