君に抱いた恋心を記憶の中にそっとしまって。

「うん……」



紗夜は私が落ち着いたのを確認してから自分の席に戻る。


家でも泣いていたけど外でこんなふうに思いっきり泣いたのは初めてで、スッキリした。


お皿に残ったパンケーキを眺めながら、紗夜に言った。



「私……ちゃんと遥陽と話をしてみる。別れることになってもこのまま続くにしても、モヤモヤが残ったままじゃ嫌だから。頑張る!」


「……あんまり頑張りすぎないでね。初優の決めたこと、私は応援するよ」



新たな決意を胸に、そう言い切った。


このままじゃダメだとわかっているから話をしたいと思った。遥陽の気持ちをちゃんと聞きたいと思った。


紗夜と話をして、改めてこれからの事を考えようと思えた。



「ありがとう、紗夜」


「……別に私は何もしてないよ。ほら、パンケーキ、残ってるよ。早く食べちゃおう!」


「うん!」



紗夜、ありがとう。


私、少しだけ勇気を出して、話してみるね。


紗夜と笑い合いながら、残りのパンケーキを口の中に頬張った。
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