君に抱いた恋心を記憶の中にそっとしまって。
「おはよう〜!」
「おはよう!久しぶり〜!夏休みどうだった?」
ザワザワと騒がしい教室は、夏休み明けらしい会話が飛び交っている。
真っ黒に日焼けした人、彼氏ができたと喜んでいる人、宿題が終わらないと嘆いてる人。みんな楽しい夏休みを過ごしたようで、その生き生きと活気づいていた。
「初優〜!おはよう!」
「紗夜……おはよう……」
「あら、なんか顔が暗いね。大丈夫?」
私はというと、新学期の朝からどんよりとしていた。
この夏休みはあまり楽しめなくて、結局遥陽とは話し合いはできず、喧嘩した状態をズルズル引きづっていた。
「大丈夫じゃないよ……夏休みの宿題は昨日徹夜で終わらせたし、遥陽からはメッセージ来ないし、考えることが多すぎて頭回らないよ……」
「まさか、まだ冷泉さんと話し合いできてないの?」
紗夜はカバンを自分の机の上に置くと、私の前に椅子を持ってきて座る。
驚いたように私を見ていた。